Yasuyo World

約束

初めて二人きりでデートしたのは、京都へのドライブ。
「これ、いい感じだろ?」
運転しながら、彼はシーナ・イーストンのデビューアルバムをほめちぎっていた。
晴れ上がった空とシーナの透き通る歌声が、楽しさを倍増してくれる。
お互いに、はっきりとした恋愛感情はなかったけれど、友達以上に気になる存在ではあった。
お誘いは彼の方から。
「次の日曜、二人で京都まで行ってみようよ」
「二人で?」
「そう、二人で行きたい♪」

ゴールデンウィーク前の京都は、日曜であるにも関わらず、意外に人出が少なかった。

南禅寺に車を止め、哲学の道をのんびり歩く。
桜の新緑が眩しかった。
あと一月早ければ満開の桜が見れたね。今度来る時は花見に来ようか…
そんな話をしている内に、銀閣寺に到着。
彼は、地味な銀閣寺は控目で落ち着きがあって好きだと言う。
女の子の好みも、金閣寺系の派手な子より、銀閣寺系が好きだって。
へぇ~、そうなんだ。この人遊んでそうに見えたけど、そんなことないかも。
心のベクトルが、ほんの少し「好き」の方向に向きをかえた。

銀閣寺からバスに乗り、円山公園へ。
お昼ご飯を食べて嵯峨野へ行った。
化野念仏寺。
無数の石仏がならんでいて、とても寂し気な感じのお寺。
「この仏さん達は、無縁仏なんだってさ。」
そう言って手をあわせる彼の姿に、胸がきゅっと締め付けられた。
また少し心が動いた。
この後清水寺に行ったついでに、地主神社に立ち寄ってお参りした。
願い事は…
「もっと仲良しになれますように」

楽しかった一日が終わった。
「また遊びに行こうね。じゃ、バイバイ」
と言った私に、彼は真顔でこう言った。
「バイバイとかサヨナラとか言うなよ。」
「え?」
「会えなくなりそうで嫌なんだ。」
「…あ…そっか。そうだよね。」
「言わないって約束してくれるか?」
「うん。」

この日以来、私は誰に対しても「サヨナラ」と言わなくなった。
いや、言えなくなってしまった。
だって…会えなくなりそうでイヤだから。
別々の人生を選んでも守り続けている彼との約束。
私はきっと、死ぬまでこの約束を守り通すだろう。
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by sing-sing-diva | 2005-06-23 06:14 | ぷち旅のお話
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